三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

政治

《政界スキャン》

行儀作法の大切さ

2012年8月号

 政治における行儀作法の大切さを最近は特に感じる。大ざっぱに言って、与党暮らしが長かったせいか、自民党のほうが行儀がいい。民主党は権力の使い方に馴れていないこともあり、行儀がよくない。

 行儀作法がよければ、信頼関係を育てることにもなるが、利害の衝突が激しい政界にあって、それは言うべくしてむずかしいのはわかる。むずかしいことをやれるかどうかは、ゆとりの有無にかかっている。政党や政治家が当面の功をあせるあまり目先主義に陥ると、ゆとりがなくなり、行儀作法も悪くなる一方だ。



 進行中の「消費税政局」にもその兆候が現れ始めた。政府提出の消費増税を柱とした社会保障・税一体改革に関連する国会提出法案等は自民、公明両党が修正協議に応じた結果、衆院で可決し参院の審議に移っている。参院でも可決、成立するかどうかは民主党の行儀作法にかかっていると私は思う。

 民主党政府が提出し、野田佳彦首相が、
「命を懸ける」
 と宣言した法案に、野党第一党の自民党が修正を条件にしたとはいえ、賛成に回るのは相当・・・