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連載

西風 379

橋下―石原との理念なき大同団結
八木亜夫

2012年12月号

 十一月十九日、大阪府茨木市の阪急茨木市駅前には一千人以上の人だかりができていた。

「一国民として、石原総理を見てみたい。そして、石原総理の下で、僕や若い実動部隊が大暴れして、日本を立て直したい」
 衆院解散後、初めての街頭演説に臨んだ日本維新の会代表代行の橋下徹大阪市長は、十七日に党の新代表に迎え入れたばかりの石原慎太郎・前東京都知事との「二枚看板」を盛んにアピールした。

 石原氏率いる太陽の党は、結成わずか五日で解党し、維新に合流した。「小異」を捨て、「大同団結」したと繰り返す。民主、自民両党に対抗する「第三極」の中核政党にのし上がったが、野田首相の奇襲解散を受けて時間的に追い込まれ、政策の違いを棚上げしての帳尻合わせの色合いが濃い。

 維新が想定していたのは、実は「一月解散――二月選挙」だった。維新幹部は「突然の解散で鳩が豆鉄砲を食らった形。目算が狂った。第三極がバラバラでは選挙に勝てず、政策を犠牲にしての合流はやむを得ない」と悔しがる。

 太陽の党との合意文書からは、橋下氏が主張し・・・