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政治

《土着権力の研究》香川県 四国新聞

地元を牛耳る平井一族の「広報紙」

2013年4月号

「県外から来た人の目には、まともな新聞には映らない」
 香川県の県庁所在地高松市の財界関係者は、地元紙について呆れるように評した。

 四国四県のみならず、全国四十七都道府県のなかでも一番狭い香川県。県外の人間に思い浮かぶのはうどんぐらいというこの県の地元紙が四国新聞だ。そしてこの四国新聞を筆頭として、地元メディアを長年牛耳ってきたのがオーナーの平井一族である。

 全国にある地方紙は、程度の差こそあれ地元政界や財界と繋がった権力者であり、オーナー企業も多く存在する。しかし、四国新聞はその権力との一体ぶりが「突出」(全国紙記者)しており、香川のみならず四国全体の問題へも影響力を及ぼし得る存在だ。

「異様」な原発推進



「現在進行中の話で、四国新聞の異様さが際立っているのが原発再稼働を巡る問題だ」
 他県地元紙記者はこう語る。
 原子力発電所の再稼働が遅々として進まぬなかで、今年七月以降、全国に先駆けて再稼働のための検査に入ると見られてい・・・