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経済

米国債に「暴落」の予兆

株高「長き宴」もついに終焉へ

2014年4月号

「株よりも債券の方が先行して価格急落が起きるだろう。あのグリーンスパン元FRB(米連邦準備制度理事会)議長も“炭坑のカナリア”と言っていたじゃないか」(ヘッジファンドマネジャー)  ウクライナ情勢の急展開による世界情勢の緊迫化。中国のシャドーバンキング問題の深刻化などが世界の金融市場を揺るがしている。つれて世界の資産運用担当者は前途に警戒的で、いわゆる「リスクオフ」の態勢をとり始めている。現金比率を引き上げ、ヘッジファンドは投資効率を大きくするレバレッジを抑えている。当然、足元では株式などのリスク資産の比重はここ二~三年で最低の比率だ。すでにこれだけ「守り」の姿勢に入ってしまった以上、「S&P500」指数が丸五年も上昇し続け、歴史的高値を更新している株式市場もすぐには暴落とはならないのではないかと誰もが思う。  しかし、売りでさやをとる前出のファンドマネジャーは、「皆が債券に逃げ込んでいる現状だからこそ、ここに不安が重なるとそのショックはより大きくなる」と力説する。ジャネット・イエレンFRB議長が「米国十年物国債の利回りは、長期では四%以上になる」と金利上昇を予想しているよ・・・