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社会・文化

移民は「大歓迎」で受け入れよ

宮島 喬 (お茶の水女子大学名誉教授)

2014年5月号

 ―外国人労働者受け入れ議論が浮上しています。

 宮島 議論のスタートが遅すぎる。約十年後には、労働人口が五百万~七百万人減少するといわれ、今後毎年二十万人ずつ外国人を受け入れても対応できないという現実を直視すべきだ。日本が再び高度成長するためでなく、「持続可能」な社会になるために、人を受け入れる必要がある。外国に移転不可能な一部製造業、建設業やサービス業に従事する人材の確保について、真剣に議論しなくてはならない。


 ―安倍政権は、建設業などに業種を絞り、期間も限定する案を検討しているようですが、問題はありますか。

 宮島 五輪開催などを理由に場当たり的にやっても仕方ない。議論が出ている外国人労働者特区もうまくいかないだろう。国全体で、どう外国人を受け入れるかという議論と体制づくりをしなくてはならない。それも、「稼いだらすぐに帰っていただく」という姿勢ではなく、いかに定着し貢・・・