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英経済とロシア新興財閥の「黒い蜜月」

政財界や王室に浸透する「闇資金」

2014年5月号

 ロシア経済を支配する新興財閥(オリガルヒ)が、英国の掌握を強めている。ロンドン金融街の主役となり、高級住宅地の価格高騰の仕掛け人であり、近年は英王室にも浸透して、英支配階級を抱き込んでいる。デービッド・キャメロン首相にとって、今やオリガルヒはアンタッチャブルになってしまった。 二人の王子にさえ誘惑が及ぶ  ウクライナ危機が深まった四月上旬、米英政府をぎょっとさせる写真が、フェイスブックに出回った。カリブ海のアンティグア・バーブーダで、ヨット遊びを楽しむ紳士たち。その一人が、米国の制裁リストに載ったウラジーミル・ヤクーニン・ロシア鉄道総裁の息子、アンドレイだったのだ。 「アンドレイは父親の威光を使って、ホテル業などで活躍している。息子をロンドンの名門私立学校に入れ、一家は完全にロンドン社交界の仲間だ。父親は旧ソ連の特殊工作員で、いかがわしい商売もしてきたのに、ロンドンを舞台に人品骨柄まで洗い流してしまった」と、在英政治記者が言う。  ヤクーニン総裁はプーチン大統領と、KGB(国家保安委員会)の人脈でつながる、側近中の側近。海外にも巨額の資産を持つ「・・・