三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

政治

《政界スキャン》351

公明党は「社会党の轍」を踏むのか

2014年5月号

 他人の褌を借りて相撲を取ることなかれ。とはいうものの、四月四日付西日本新聞一面には借りるに足る記事が掲載された。

 官房長官菅義偉が二月中旬に、公明党の支持母体である創価学会副会長佐藤浩と都内で密会した、とのスクープだ。

 それによると、会談では菅が「今国会中に集団的自衛権をやりたい」と切り出したのに対し、佐藤が「のめない。それでは共同歩調は取れない」と首を横に振り、・今国会中の解釈変更はしない・解釈変更するにしても、個別事例を積み重ねる形にする、ことで大筋合意した。菅が公明党の頭越しに学会幹部と「握った」ことは同党に不快感を広げた、という内容だ。

 この記事は、二重の意味で永田町、特に公明党関係者にショックを与えた。まずは、普段は表に出ることのない学会幹部が名前まで特定された上で、国政の中枢テーマについて、時の政権首脳と政治折衝をしたことが、週刊誌や情報誌ならぬ一般紙で記事化されたことである。過去にも類似記事がなかったわけではない。だが、ここまでタイミング良くリアルなものは久しくなかった。

 第・・・