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経済

丸紅の治らぬ 「ワイロ体質」

資源で出遅れた「二流商社」の限界

2014年5月号

「何とも弁解がましい言い草だ」  丸紅のそのプレスリリースを指して、外務省のある幹部はこう吐き捨てた。  米司法省から「米国連邦海外腐敗行為防止法(FCPA)」違反の容疑で起訴されていた丸紅が、同省と司法取引契約を結び、八千八百万ドル(約九十一億円)の罰金支払いに合意したと発表したのは三月二十日のことである。  この不祥事、国内では大きく報道されていないが、丸紅が仏アルストムの米国法人と共謀し、二〇〇二年以降、インドネシアの火力発電所向けボイラーの受注の見返りに、同国公務員へ不正な金銭支払いを続けていたとされるものだ。丸紅は罪を認め、罰金支払いに応じたのだが、そのプレスリリースにはこう書かれていた。 〈本件は一二年一月の(米司法省との)起訴猶予契約を締結する以前の過去の事案です。当社は、反贈収賄コンプライアンス体制強化に努めた結果、現在は強固かつ効果的な体制を備えていると考えております〉  実は、丸紅のFCPA違反はこれが二度目なのだ。ナイジェリアの液化天然ガス基地の建設工事受注でも嫌疑をかけられ、二年前、起訴猶予の代わりに罰金五千四百六十万ドル(約四十二・・・

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