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異常なるマフィア国家「チェチェン」

プーチンを陰で支える「暴力装置」

2015年4月号

 ロシアの野党指導者ボリス・ネムツォフ殺害事件で、チェチェン人五人が殺人容疑で拘束され、ラムザン・カディロフ・チェチェン共和国大統領の異様な権力者ぶりが浮かび上がった。プーチン大統領から「何をしてもよい」と認められた男は、暴虐と恐怖政治に突っ走り、今ではプーチン側近の他の権力者たちと、深刻な対立関係に陥っている。  ネムツォフ殺害事件前日の二月二十六日夜。  チェチェンの首都グロズヌイで、ある男性の遺体が家族のもとに運び込まれた。全身に生々しい傷があり、手首には電気ショックのあとがあった。この二十三歳のカナ・アファナシェフは一昨年、スウェーデンに政治亡命を求めて渡航。亡命申請を却下されて、三カ月前にグロズヌイに戻った。二十六日の朝、自宅から連れ去られ、激しい拷問で死亡した。 「この一週間ほど前から、北カフカス地方一帯で当局が次々と成人男性を捕まえていた。チェチェンで収監中の拷問死が裁かれることはあり得ない」と、在モスクワの人権活動家が言う。 プーチンのための「暗殺部隊」  昨年十月に三十八歳になったカディロフは、「カディロフツィ」と通称される・・・