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WORLD

犯罪組織が支配する露スポーツ界

プーチン「黒い人脈」の汚染が拡大中

2016年6月号

 ロシアのドーピング問題で、国家関与の新事実が次々と明るみに出る中、ロシアのスポーツ界と同国の犯罪組織(マフィア)とのつながりという、衝撃的な事実が浮上した。数万人のロシア人アスリートがマフィア構成員の予備軍となっているばかりか、サッカーやアイスホッケーでは、マフィアによるマネーロンダリング(資金洗浄)の格好の舞台になっている。マフィアは、ロシアを牛耳るオリガルヒ(新興財閥)や政府高官とのつながりも深く、「政府=マフィア=スポーツ界」という漆黒の利益共同体が表面化してきた。
資金洗浄から暗殺部隊まで
 五月中旬、米ニューヨーク・タイムズ紙は、ロシアが二〇一四年のソチ冬季五輪でも、ドーピングの組織的隠蔽工作を行っていたと報じた。検査室に小穴を開け、そこから尿検体をすり替えるという、冷戦時代のスパイ工作のような大規模作戦だ。
 その衝撃報道に隠れて目立たなかったが、同じ頃、スペインとポルトガルで、ロシア・スポーツ界がかかわる別の摘発があった。
 五月上旬、スペインの「全国管区裁判所」は、ロシア・マフィアのボスや彼らを・・・