「金正日時代の十八年間（一九九四年〜二〇一一年）、北韓（北朝鮮）の弾道ミサイル発射は二十発を少し超えるくらいだった。だが、金正恩政権下の五年間で、五十回を超えるミサイルを発射している」
　七月二十日、韓国の国会答弁で、韓民求国防相はこう慨嘆した。
　特に今年に入ってからの北朝鮮は「まるで国連が北朝鮮の弾道ミサイル発射を禁じていることなど忘れてしまったかのように」（日本政府関係者）、弾道ミサイルを撃ちまくっている。
　二月七日に長距離弾道ミサイルテポドン２号改良型を発射。これは米国本土を射程に収める、一万二千キロの飛行能力があると言われた。
　四月十五日には、〇七年から実戦配備してきたが一度も試射したことがなかった、中距離のムスダンを初めて試射。何度も失敗したが、六月二十二日、実に六度目の試射で飛行に成功した。ムスダンの射程は三千キロ以上と言われ、米領グアムまで届く。
　さらに、四月二十三日と七月九日に潜水艦発射弾道ミサイル（ＳＬＢＭ）を発射した。いずれも、数キロから数十キロしか飛行しなかったが、すでに潜水艦からミサイルが入ったカプセルを・・・