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政治

公明党・山口「長期体制」が続く理由

深刻な「後継者不在」の裏返し

2016年9月号

 きたる九月十七日に東京国際フォーラムで開かれる公明党全国大会で、代表・山口那津男の無投票五選が決定する。山口の代表就任は二〇〇九年九月、衆院選の大敗に伴い引責辞任した前代表・太田昭宏の後継としての「緊急登板」だった。今後二年の代表任期を全うすれば通算九年に達し、初代代表・神崎武法の在任期間を抜いて歴代最長となる。代表制度が始まる以前に遡っても、一九六七年から二十年近く党を率いた第三代中央執行委員長・竹入義勝に次ぐ長期体制だ。
 六十四歳になった山口がこれほど長く代表を務めることを、就任時に予測できた関係者は少ない。民主党政権がスタートし、二大政党政治の到来というタイミングでトップを託された山口の使命は、民主・自民両党のはざまで埋没しないことだった。ただ、いずれにもつかず離れず振る舞うことは、生真面目な性格で腹芸などできぬ山口には不得手であり、そもそも二度の衆院選落選を経て参院に転じた山口の統治能力は未知数だった。あくまでショートリリーフ―。当初はそんな見方が支持母体・創価学会でも支配的だった。

若手は「エリート」ばかり・・・