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英国で始まる 「金融ビッグバン」第2弾

フィンテックとAIに国運賭ける

2016年11月号

 ロンドンの金融街シティーが、BREXIT(EU脱退)の衝撃から、立ち直りに動き出した。国民投票で欧州連合(EU)からの離脱が決まった直後には、「欧州金融の中心は大陸に移る」との見方が出たが、シティーでは「逆境をバネに、金融センターとしての地位を強化せよ」という声が強まっており、「ビッグバン(金融制度規制緩和)第二弾」への動きが始まった。
 シティーの密かな自信をのぞかせたのは、十月中旬に英上院の小委員会審議に臨んだジョン・カンリフ・イングランド銀行副総裁の一言だった。
「私たちが『ロンドン』と総称するもの(=金融街)が、EUのどこか別のところにできますか? それはまずありえないでしょうね」
 カンリフ副総裁は大きな目をカッと見開いて、上院議員たちに語りかけた。世界的金融機関の本社、欧州本部だけでなく、これを支える法律事務所、会計事務所、調査・研究機関など、今のロンドンには金融センターとしてのすべての機能、人材が備わっている。副総裁はこれを「エコシステム」と形容し、「どこにも持っていくことはできない」と述べた。ドイツのフランクフルト、パリなどEU各都市が、・・・