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経済

三井住友海上で「売上げ水増し」不正

「粉飾まがい」顧客を騙す醜い手法

2017年4月号

 どこの会社の営業マンも、ノルマを達成するために、日々涙ぐましい努力を重ねている。その苦境の中で、たまさか営業マンが反則すれすれに踏み込むこともあろう。自己負担で商品を購入して売上高を上げる「自爆営業」はその典型だ。では、顧客に虚偽の説明をして売り上げを水増ししたとしたら……。それは明らかにルール違反であり、とても努力の一環などと片付けるわけにはいかない。舞台は、損害保険業界二位にランクされるMS&ADインシュアランスグループホールディングス(HD)の中核企業、三井住友海上火災保険—。この名門で今、公然と横行している「許されざる不正」(同社関係者)の実態を暴く。
 大阪市内に本拠を置く関西企業営業第二部。その名の通り、関西を拠点とする企業を顧客に持つ、精鋭部隊とされる。サントリー、クラレ、帝人、武田薬品工業……。名だたる企業ごとに課が分かれ、自動車保険などを販売している。
 不正の物語の核心は、同部第四課で、ここは他の課とは異なる保険商品を扱う。ダイキン工業、帝人、住友ゴム工業などを相手先として「貨・・・