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経済

トヨタと「警察一家」の 濃密な関係

暴走プリウス「事故捜査」の暗部

2019年7月号

「交通事故がゼロになるまで戦いを続ける」
 六月十三日、愛知県豊田市内のトヨタ自動車本社で開催された定時株主総会の席上、豊田章男社長はこう株主に決意を語った。自動車会社の社長としての模範回答だろうが、その本気度がどれほどのものなのかには大きな疑問符がつく。総会の席上、質疑応答の場面で、ある男性株主はこう質問した。
「高齢者が運転する車が暴走している。事故を起こした車に、プリウスが頻繁に登場する。運転ミスだと思うが大丈夫か」
 これに対して豊田氏は、自動車交通事故全般について、「自動車会社に関わるものとして申し訳ない」と曖昧な回答でお茶を濁した。豊田氏の後を受けた吉田守孝副社長は、「(事故が)目立つように見えるのは販売台数が多いから」というこれまで通りの説明を続けた。
 相次ぐプリウス暴走事故について本誌六月号では車種自体の問題点について取り上げて大きな反響があったが、世間では「高齢ドライバーの誤操作が原因」というムードが醸成されてしまった。原因は、大スポンサーのトヨタにとって不都合な事実を報じないメディアと並び、早々に事故原因を高齢ドライバーに押・・・