三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

政治

国政不全「安倍夫妻」の大罪

一強官邸が自爆した「森友の泥沼」

2017年4月号

「修身斉家治国平天下」
 中国の古典『大学』はこう教える。「安倍一強」と言われてきた首相安倍晋三の胸にこの言葉が届いていただろうか。
「わが身を修め、家庭をととのえ、国家を治め、天下を平らかにする。儒教におけるもっとも基本的な実践倫理で男子一生の目的とされたもの」(故事ことわざの辞典=小学館)
 二〇一二年十二月に二度目の政権を担った安倍の強さの背景には自身にまつわるスキャンダルやトラブルがなかったことがあった。その意味では安倍自身は「身を修めて」いたと言っていい。しかし、「斉家」の方はどうだったのか。安倍自身が「家庭内野党」と呼んでいた夫人の昭恵が大阪の学校法人「森友学園」をめぐる国有地払い下げ問題で一躍キーパーソンとして渦中の人になった。まさしく「本丸から火を出す」との喩え通り、政権の中枢中の中枢である「安倍家」が火元という皮肉なスキャンダルが拡大を続ける。
 テレビですっかり有名になった森友学園が運営する塚本幼稚園。園児らに教育勅語を暗唱させるなど、戦前回帰の特異な教育で知られていた森友学園の理事長籠池泰典と安倍夫妻がこうした点で価値観を共・・・