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政治

《罪深きはこの官僚》藤原豊(内閣府地方創生推進室次長)

加計問題「忖度行政」の下手人

2017年6月号

 首相、安倍晋三の友人、加計孝太郎が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)を巡る疑惑。獣医学部新設計画に関する記録文書を巡り、国家戦略特区を担当した内閣府地方創生推進室次長、藤原豊への風当たりが強まっている。
 問題の文書には、内閣府側が文部科学省に対して「(早期の開学は)総理のご意向だと聞いている」などと語ったという記述があったが、この発言の主こそ当時、内閣府の担当審議官だった藤原だ。疑惑の渦中にある藤原は衆議院農林水産委員会で「内閣府として『総理のご意向だと聞いている』などと申し上げたことは一切ない」と内容を真っ向から否定している。
 この文書で藤原が名指しされ、現在針のむしろに座らされた理由は、「獣医学部特区認可の過程で、藤原の強引なやり方に対して文科省側の反発が大きかったからだ」(政治部記者)という。
 藤原が事務局を務めた国家戦略特区ワーキンググループ(WG)の議論では、文科省は完全に抵抗勢力扱いとされ、官僚はWG委員の格好のサンドバッグになった。昨年九月十六日の獣医学部設置をめぐるヒアリングでは、座長の八田達夫アジア成長研究所所長が「(獣・・・

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