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連載

皇室の風106

モッコウバラ
岩井克己

2017年6月号

 モッコウバラが今年も咲いた。
 我が家では車庫の脇に仮植えの鉢を置いていたのが、あっという間に成長して弦が車庫の屋根を覆い尽くした。
 初夏ごとに黄色くて小さくて可憐な花が夥しく咲き誇り、二階の窓から見惚れている。近隣の人たちも愛でてくれる。もう根付いたに均しく、植え替えは忍び難くて出来なくなっている。
 眞子内親王の婚約が内定した。婚儀は来年になるという。モッコウバラは眞子内親王のお印で、花言葉は「初恋」である。
 両親の秋篠宮夫妻の学生時代、結婚、「眞子ちゃん」誕生と成長―長く見守ってきただけに歳月の流れに感慨一入である。
 皇室では紀宮清子内親王から敬宮愛子内親王まで九人続けて女子誕生が続き、男子は四十一年ぶりに誕生した悠仁親王(十歳)だけだ。清子内親王、高円宮家の次女典子女王が「降嫁」。なお三内親王、四女王がいるが、間もなく筆頭宮家の秋篠宮家の長子である眞子内親王が去ろうとしている。
 皇位の安定的継承への対処に関する政治の不作為は臨界点に達した感がある。
 女性皇族の結婚後の扱いを変えるか、旧皇族の復籍を・・・