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経済

火傷にご注意「ビットコイン」

「狂気のバブル」の理由と末路

2018年1月号

「ビットコインに投資した十代の若者が一年で億万長者に」
 こんな情報が、二〇一七年には至るところで耳目を集めた。原稿執筆の十二月二十一日時点で、ビットコインの発行枚数は一千六百七十五万枚、時価総額は三十八兆円を超えた。
 日本では「二〇一四年」の流行語大賞にノミネートされて以降、一時は過去のものとなったはずのビットコインだったが、今になって爆騰。一攫千金を夢見る日本の若者や主婦層を中心に活況を呈している。ビットコイン保有者は、自分たちが「先端を行く情報強者」であると信じ込んでおり、自分たちの後を追えとばかりにネットと現実空間で宣伝をばら撒くため、保有者数が増えている。
 こうした中、昨年十二月十日に米シカゴ・オプション取引所(CBOE)で、十八日にはシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)でビットコインの先物取引が相次いで開始された。ヘッジファンドによる大口のショートで暴落も予想されたが、現時点では上昇して市場を驚かせている。その時価総額は米ドル、ユーロ、人民元、日本円の流通量に次いで第五位となり、この勢いならば、あと数カ月で四位の日本円の貨幣流通高(現金)・・・