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FBIは「大統領の首」を取れるか

ロシア疑惑「一層窮地」の米政権

2018年3月号

 ドナルド・トランプ米大統領率いる共和党が、底なし沼にはまりつつある。二〇一六年大統領選で、トランプ陣営とロシア当局が「共謀」したとの疑惑が一向に晴れないことに業を煮やして、疑惑の捜査をしている連邦捜査局(FBI)こそ、「民主党と共謀している」とFBI攻撃に転じたのだ。
 FBIが、ホワイトハウスや共和党からここまで敵視されたのは、ウォーターゲート事件で退陣したニクソン政権(一九六九~七四年)以来。気になるのは、同政権と現政権の類似点も刻々と増えていることだ。

「にわか外交顧問」を巡る攻防

 共和党幹部が「FBIと民主党の共謀」を主張するのは、大統領選のさなかにFBIが「外国情報監視法」に基づいて請求した、盗聴捜査令状を根拠にしている。下院情報特別委員会のデビン・ヌネス委員長(共和党)が作った「機密メモ」によると、「FBIはトランプ(候補)とロシアとの関係について、(トランプ氏を)貶める情報を入手する」目的で、トランプ陣営の外交顧問だったカーター・ページ氏を監視下に置くよう求めた。
 トラ・・・