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経済

ゾンビ「新生銀行」の悪あがき

身売りもままならぬ悲惨な末路

2018年6月号

 旧日本長期信用銀行の経営破綻から二十年が経過した。まさに光陰矢の如しだが、その歳月を超える勢いで出口の見えない真っ暗なトンネルを走り続けているのが、旧長銀再生で誕生した新生銀行である。大手銀行では唯一、公的資金を返済できぬまま、いまだにそのメドは一向に立っていない。
 今年五月、新生銀の〝新機軸〟が一部メディアで報じられた。それは、これまで無料だったATM利用手数料を一部有料化するというもの。メガバンクなど、ATM手数料を無料化する方向が浮上している中では奇異とも受け取れる話である。実際、あるメガバンク関係者は「時代に逆行している」と、その逆噴射ぶりに呆れている。
 もっとも、当の新生銀行とすれば、背に腹は代えられない実情がある。消費者金融を主軸とするビジネスで、二〇一八年三月期決算はどうにか増益を確保したものの、銀行のカードローンビジネスに社会的な批判が高まるなかでは、ビジネスモデルそのものに居心地の悪さがあっても致し方ないからだ。たとえ時代とは逆行でも、一回、百八円(税込み)の手数料でさえ徴収せざるを得ないのだ。
 だが、同銀行が返済できずに抱え込ん・・・