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トランプ一家「桁外れ」の賄賂腐敗

万事「袖の下」で動く米政府

2018年6月号

「カネを払ったロビイストとは話をした。そうでなければ話をしなかった」
 金融機関幹部を集めた今年四月の会合で、こんな言葉が米ホワイトハウスの高官から飛び出した。発言の主は、ミック・マルバニー行政管理予算局長。兼務する消費者金融保護局長代行として招集した会議で、「ロビイスト経由でカネを払え」と言わんばかりだった。意図したのは政治資金だが、メディアから「露骨な賄賂要求だ」と驚きの声が上がった。
 この件はすぐに首都の話題から消えた。ドナルド・トランプ大統領が五月、中国との通商戦争のさなかに、中国通信機器大手の「ZTE(中興通訊)」に対する制裁を解除してもよいとツイートしたからだ。直前に中国政府は「トランプ・オーガニゼーション」社が参加するインドネシアのリゾート事業に、五億ドル(約五百五十億円)の融資を行うと発表した。制裁解除示唆との関連は見逃しようもなく、「大統領が買収された」との論評が相次いだ。

「サウジは現金十億ドル」情報

 トランプ政権の賄賂要求がますます大胆になっている。
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