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バルカン半島に「中国マネー」の猛威

インフラ投資で「EU分断」を画策

2018年8月号

 中国がバルカン半島で「一帯一路」事業に邁進している。エーゲ海と黒海を結ぶ鉄道や、ベオグラード=ブダペスト間の高速鉄道、さらに高速道路網と、地元にとって垂涎の事業が盛りだくさん。ベオグラードに金融センターを作る計画まで飛び出し、欧州連合(EU)は、「EU規制を逃れるため、EU未加盟の国々を抱き込むつもりか」と警戒を強めている。

「一帯一路」欧州側起点を整備

 李克強首相が率いた、七月の中国のブルガリア訪問団は、あらゆる点で規格外れだった。総勢七百人以上の実業家が四日間、バルカン半島の小国で経済プロジェクトを話し合った。ハイライトは、首都ソフィアを会場にした、「中国│中・東欧諸国首脳会議(通称十六+(プラス)一)」で、バルト三国から旧ユーゴスラビア諸国まで、中東欧十六カ国の首脳がずらりと顔をそろえた。この国際会議は今回で七回目だ。
 中国側の土産もでっかい。ベオグラードとブダペストの間に高速鉄道を建設し、従来の八時間から三時間に移動時間を短縮する計画に加えて、テッサロニキなどギリシャの港湾都市と、ブル・・・