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米国で旋風起こす 「社会主義」

民主党と若者の「左傾化」進む

2018年10月号

 十一月六日投票の米国の中間選挙では、「社会主義」が注目の的だ。冷戦時代から「反社会主義の総本山」だった国で、野党・民主党内に「自分は社会主義者」と胸を張る候補が急速に台頭している。カール・マルクスならば、「社会主義という妖怪が米国を徘徊している」と表現するところだろう。

若年層の「四重苦」が背景

 八月に公表された「ギャラップ」社世論調査は、米政界を驚かせた。「あなたは社会主義をどう見ていますか?」という質問に、民主党支持層の五七%が「肯定的」と答え、同層で「資本主義を肯定的に見ている」と答えた四七%を上回った。二〇一〇年から始まった調査で初めて、民主党支持層に限って「資本主義より、社会主義のほうが良い」との結果が出たのだ。
 全体では「五六%対三七%」で、依然として資本主義のイメージの方がよい。ただし、十八歳から二十九歳の年代では、「四五%対五一%」で社会主義が勝る。同世論調査では「社会主義」の定義がないが、米政治では一般的に「国家介入」と同義で、民主党進歩派の主張とほぼ重なる。
 在・・・