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経済

《地方金融の研究》西京銀行

疑惑膨らむ「第二のスルガ」

2018年11月号

「第二のスルガ」。金融筋の間ではこう取り沙汰されている。
 アパート購入希望者の預金残高データを水増しし、融資審査を通りやすくしていた不正が八月末に発覚した、東証一部上場でアパート経営総合支援のTATERU(旧インベスターズクラウド)。いまのところ見つかった不正は預金残高二十三万円を六百二十三万円に改竄した一件だけ。他に同様の偽装などがなかったかは、同社の立ち上げた特別調査委員会が十二月をメドにまとめるとしている報告書待ちだが、そのTATERUと手を携え、都心部でのアパート建設向け融資をせっせと引き受けてきたとされるのが、山口県周南市に本店を置く第二地銀、西京銀行―だ。
 金融筋がその存在にスルガ銀行の姿をダブらせる背景の一つには、TATERUの「ケタ外れともいえる驚異的急成長」と、逆風下でも堅調さを維持し続けている西京銀の業績があるのだろう。これが、女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」運営のスマートデイズと結託して高収益をたたき出してきたスルガ銀同様、「本来なら貸せないところに貸し込んで荒稼ぎしているのでは……」との疑念を掻き立てるの・・・