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政治

夏の参院選「自民大敗」の兆し

政権「死に体」化が早まる可能性

2019年1月号

 自民党に「亥年現象」という言葉がある。十二年に一度めぐって来る亥年は三年ごとに行われる参院選と四年ごとの統一地方選が前後して実施されるからだ。統一地方選は四月、参院選が七月。統一地方選で全力疾走した地方議員らは参院選の応援に力が入らない。現に衆院の小選挙区比例代表並立制が導入された初めての「亥年選挙」だった一九九五年の参院選で自民党は大苦戦をしている。当選者は四十六人。つまり改選議席の過半数を大きく割り込む結果となった。
 中でも比例代表区では当時の野党第一党だった旧新進党が十八議席を獲得、自民の十五議席を凌駕した。新進党はその後、解党したが、解党しなければ九六年衆院選でも自民に勝っていた可能性は否定できない。この時は公明党が新進党に参加しており、公明党の底力を見せつけた選挙でもあった。
 その次の「亥年選挙」は二〇〇七年。野党民主党が自民党を圧倒した。民主の当選者は六十人。これに対して自民は三十七議席にとどまった。非改選議員と合わせた新勢力も民主百九議席に対して自民八十三議席。この時の首相が安倍晋三だった。安倍は選挙後に体調を崩し、首相退陣に追い込まれた。この参・・・