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経済

中核派に四十年ぶりの東大生加入  全学連委員長にも就任で「大はしゃぎ」

2019年1月号公開

 東京大学で四十年ぶりに現役学生が中核派(革命的共産主義者同盟全国委員会)に入り、しかも全学連委員長に就任したことが、左翼関係者の間で話題になっている。中核派・全学連委員長になったのは教養学部二年生の高原恭平氏で、
一人で大学当局批判のビラをまく活動をしていたところ、SNSを通じて勧誘されたのだという。
 中核派といえば、同じ潮流を汲む革マル派(日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派)との内ゲバの数々で多くの死傷者を出してきたことで知られる。しかし最近は、武装闘争は封印し、超大衆路線に転換。なかでも力を入れるのが若者層の獲得で「相当な威力を発揮しているのがユーチューブ上で流している『前進チャンネル』だ」(左翼業界筋)。若い女性が中核派の活動を紹介している。
 中核派復調の裏には、日本共産党の下部組織・日本民主青年同盟(民青)の凋落がある。東大といえば「民青の巣窟」と言われたが、中核派が乗っ取った格好だ。大衆路線といえども、公安警察からすれば活動活発化は監視対象。「生き延びる糧ができたと喜んでいる」(事情通)のは警察だろう。
 


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