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印モディ政権に「大変調」

最貧困層の離反で「政権交代」の兆し

2019年2月号

「農民の収入を二倍にする」
 インドの農民たちは、現在首相であるモディのこうした訴えを信じて、五年前、今は与党のインド人民党(BJP)へ投票した。その願いが今、失望や怒りへと変わりつつある。
 昨年十二月に行われた五つの州議会選挙でBJPは全敗した。最も注目されたインド中央部の人口が多いマディヤ・プラデシュ州は、前回二〇一三年にBJPが二百三十議席中百六十五議席を獲得したが、今回は五十六議席を失って百九議席となり、半数割れとなった。一方で最大野党の国民会議派は前回五十八議席だったのが、今回百十四議席を獲得して勝利した。モディ首相や与党幹部が現地入りし、盤石と言われていただけにBJP側のショックは大きい。
 同じく前回選挙でBJPが国民会議派を圧倒した北西部のラジャスタン州でも、同党は九十議席を失う敗北を喫する。インド中部チャッティスガル州での敗北はさらに大きく、九十議席中、BJPは十五議席にとどまり、国民会議派は六十八議席と大躍進した。
 BJPの基盤がない南部テランガナ州と北東部ミゾラム州では、それぞれ一議席を獲得するだけにとどまった。五州のう・・・