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政治

永田町は今日も「ノーテンキ」

「平成元禄」平和ボケの安倍政権

2019年2月号

 長期政権とはこういうものなのだろう。年内には在任期間が憲政史上最長の桂太郎を抜くことになる首相安倍晋三。だが、安倍はその在任期間にふさわしい大宰相の風格を兼ね備えているだろうか。
 安倍の心境を反映する新聞の「首相動静」にはその慢心ぶりがくっきりと浮かび上がる。昨年末からロシア訪問までの約一カ月に目を通してみると、関心事及び人脈とも“半径十メートル以内”と言っていい。食事相手も極めて限定的。家族を含めた親類縁者、秘書官、“安倍親衛隊”とも言える政治部記者、学者では権力の在り処に最も敏感とされる竹中平蔵、俳優の中井貴一……。今年も地元に帰り後援者との会合を重ねた。
 安倍にはかつて昭和の首相たちの「年末年始ぐらいは秘書官や警護のSPたちを休ませる」という気配りもなければ、読書にふけり多方面の碩学の謦咳に接している様子もない。この国の未来に対する深い思索を重ねるというリーダー像とは大きく懸け離れる。まさに“平成元禄”を象徴する首相と言ってもいい。こうした安倍の姿勢の反映・・・