三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

経済

《クローズ・アップ》永松文彦(セブン-イレブン新社長)

加盟店「残酷物語」を続ける魂胆

2019年5月号

「二十四時間営業」問題がコンビニ業界の王者、セブン-イレブン・ジャパンの社長の首を飛ばした。四月八日、古屋一樹社長(六十九歳)が退任し、永松文彦副社長(六十二歳)が社長に就任した。古屋氏が代表権のない会長に就任したことをみれば、社内外の混乱と世間の批判の責任を取らされた更迭人事といって間違いない。
 セブンに限らず、コンビニの二十四時間営業はこの四、五年、都心の繁華街などの店を除いて、フランチャイズ(FC)店オーナーにとって「生きるか、死ぬか」の深刻な問題となっていた。深夜バイトの確保がますます困難になり、バイト賃金も暴騰したからだ。かつてコンビニバイトを支えていた中国人が激減し、現在はベトナム人、ミャンマー人、インド人などが主役。漢字が読めないため、宅配便の受け付けも混乱する状況だ。そうした外国人の確保も容易ではなく、オーナー家族が健康を犠牲にしながら続けるのが実態だ。
 だが、古屋前社長ら経営陣は頬かむりでこの問題に対し無視を決め込んできた。東大阪市のセブンのFC店オーナーが捨て身の告発をして、世間はようやく、コンビニ本部のブラックな裏の顔を知ることになった。公・・・