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社会・文化

「皇宮警察」の警備・護衛は「穴だらけ」

新時代の皇族を守れるのか

2019年5月号

 五月一日に行われる三種の神器を継承する「剣璽等承継の儀」を皮切りに、新天皇の一連の即位関連行事が秋まで続く。今回の「御代替わり」は崩御を伴わないため祝賀ムード一色になることが予想され、十月二十二日に予定されている「即位礼正殿の儀」や祝賀パレードでそのピークを迎える。宮内庁は式部職を中心に準備に余念がないが、この両行事の際に宮内庁と同様に重要な役割を担うのが皇宮警察だ。即位礼では束帯姿に身を包んで威儀と呼ばれる天皇の護衛を務め、パレードでは騎馬隊や白バイ隊が警戒に当たると同時に行列に花を添える。
 天皇及び皇后、皇太子その他の皇族の護衛、皇居及び御所の警備(中略)をつかさどる―。警察法第二十九条は皇宮警察本部設置目的をこう謳う。東京都の警視庁や四十六道府県に設置されている警察本部とは別に、「四十八番目の警察本部」として警察庁傘下に置かれている特殊な組織であり、職員は警察官ではなく「皇宮護衛官」という官職を名乗る。「皇室を護る」ことが唯一の存在理由であるこの集団が今、その役割を十分に果たしていないばかりか、むしろ皇族を危険にさらしているという。ある皇宮警察関係者が打ち明ける。{・・・