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台湾総統選は「米中代理戦争」の様相

勝者しだいで日本にも影響大

2019年6月号

 来年一月の台湾総統選に向け、各党の公認候補を決める予備選が白熱化している。与党、民進党は現職の蔡英文氏と前行政院長(首相に相当)の頼清徳氏が一騎打ち。いずれも対米関係を重視し、中国と対抗する姿勢を鮮明にする。他方、野党の国民党からは四人の候補が名乗り出ているものの、事実上、高雄市長の韓国瑜氏と大手電子機器メーカー、鴻海精密工業の郭台銘会長の二人に絞られ、双方とも親中国派である。貿易摩擦など米中対立が深まる中、総統選はその代理戦争の様相を呈してきた。
 もう一人の有力候補である無所属の台北市長、柯文哲氏は、両党の候補と一線を画す。第三の路線として米中双方と仲良くする「親米友中」のスローガンを掲げ、出馬宣言のタイミングをうかがう。
 台湾の民進党系の世論調査機関「民意基金会」が五月に発表した世論調査の結果によると、蔡英文総統の支持率は一カ月前と比べて、八ポイントほど上昇して約四三%となった。四〇%台に回復したのは一年半ぶり。その理由について、同基金会の遊盈隆董事長は「蔡氏の主導でアジア初の同性婚を認める法律が成立し、若者の間で支持が広がった」と指摘し「中国に対する強硬・・・