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経済

《地方金融の研究》南都銀行

四十五歳副頭取の「改革」で不協和音

2019年12月号

「『天保の改革』ならぬ『店舗の改革』といったところか」。地銀関係者の間ではこんな声も飛ぶ。
 奈良県奈良市に本店を置く県内唯一の地銀、南都銀行が大規模な店舗再編に乗り出す。県内外に百三十七拠点ある支店・出張所のうち三十店舗を近隣店舗内に移転・集約する形で事実上閉鎖。四店舗では銀行界初となる隔日営業に踏み切る。店舗がなくなるエリアの利便性を維持するため日本郵政傘下の日本郵便などと提携、これまた銀行界で初めて郵便局に共同窓口を設置する方向で検討する。一時間の昼休業を導入する川上支店(吉野郡川上村)など四店舗と合わせ、再編対象は全拠点の実に三割近くにもおよぶ計算だ。
 閉鎖する店舗は「来店客数や老朽化、密集度合いなどを勘案してリストアップした」(幹部)という。府県別では県内が紀寺支店(奈良市)、下市支店(吉野郡下市町)、耳成支店(橿原市)など二十三店舗(全八十九店)。京都府が三山木出張所(京田辺市)など四店舗(同十五店)、和歌山県が和歌山北出張所(和歌山市)など二店舗(同八店)に三重県が一店舗(同三店)。店名や口座番号などは移転先にそのまま引き継ぐ「店舗内店舗」方式で集約・・・