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社会・文化

《日本のサンクチュアリ》「大学入試」利権

このおぞましき政官民の「癒着」

2020年2月号

 一月十八、十九日の両日に実施された大学入試センター試験は、事前に予想された雪による影響は少なく、大過なく終了した。報道では「最後のセンター試験」というフレーズが繰り返し使われ、来年からは新たな「大学入学共通テスト」が始まることがアナウンスされている。
 しかし昨秋以降、新テストへの不安要素が噴出し、すでに英語民間試験の利用と、数学と国語の記述式試験の実施が見送られることになった。背後では「入試制度改革」に乗じて、政官民が大学受験という巨大市場に群がっている。
 英語民間テストの活用をめぐるドタバタの裏側や、文部科学省の官僚や文教族議員による関与の経緯は後述するが、この騒動の過程で浮き彫りになったのは教育産業大手「ベネッセ」による我田引水ともいうべき動きだった。
 旧・福武書店の時代から通信教材「進研ゼミ」などで有名だった同社が、入試制度改革で手にする利権は英語試験によるものだけではない。

ベネッセの知られざる「利権」

 ベネッセコーポレーションの子会社「学力評価研究機構」は昨年・・・