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経済

SMBC日興に「無能」の烙印

島忠TOB合戦「惨敗」の罪深さ

2021年1月号

「呆気ない幕切れ」(機関投資家筋)に終わった。
 ホームセンター(HC)大手の島忠を巡り、同業のDCMホールディングス(HD)と家具・インテリア製造小売り首位、ニトリHDとの間で繰り広げられたTOB(株式公開買い付け)合戦は二〇二〇年十二月十一日、DCMHDのTOB失敗が決定。一方で同二十八日、ニトリによる島忠株の過半数取得が判明し、その勝利が確定した。二一年一月六日の資金決済を経て正式にTOBが成立する。
 TOBに当たってDCMが提示した島忠株の買い取り価格は一株当たり四千二百円。これに対しニトリの「指値」はそれを三割強上回る同五千五百円。DCM側がTOB価格を引き上げない限り勝負の行方は「そもそも最初から見えていた」(事情通)とはいえ、この間、DCM側が講じた対抗手段は二度にわたるTOB期間の延長のみ。後はしきりと“遠吠え”を繰り返すだけで、ほとんど無為無策のままDCMの「事実上の不戦敗」(メガバンク筋)が決まった。
 市場関係者の間からは「いやむしろDCM側のTOBに三万二千三百四十五株の応募があった方が不思議。余程ニトリに・・・