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経済

《企業研究》慶應義塾大学

東京歯科大「吸収合併」で高笑い

2021年1月号

 福澤諭吉の「蘭学塾」創設から百五十周年となる二〇〇八年に旧共立薬科大学との学校法人合併で「薬学部」を手に入れた慶應義塾大学。次の節目となる百六十五周年に今度は「歯学部」が転がり込んできそうだ。
 慶應大は二〇年十一月二十六日、東京・水道橋に本部を置く東京歯科大学と合併に向けた協議をはじめると発表した。二三年四月をメドに慶應大に歯学部と大学院歯学研究科を新設、統合を目指す。慶應大は現在、医学・薬学・看護医療の医療系三学部をはじめ経済学部、文学部など全十学部で構成されている。合併が実現すれば十一学部体制にスケールアップするとともに、国内で初めて医・歯・薬・看の医療系四学部をフルラインで揃える総合大学となる(医系大としては昭和大学が保有)。

歯科医師過剰で人気低落への危機感

 合併協議は東京歯科大が十一月六日に申し入れ、同二十六日開かれた慶應大の評議員会で開始が決定された。合併に向けての手続きやスケジュールなどは未定だが、関係者によると今後、両者の間で共同プロジェクトチームを立ち上げて教育・研究システム・・・