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社会・文化

第三波「医療崩壊」の真相

「人災」を広げる厚労省の重罪

2021年1月号

 新型コロナウイルス感染者の急増を受け、連日医療崩壊の危機が叫ばれている。政府が緊急事態宣言発出のメルクマールとしている重症者も増加の一途だ。もっとも、日本は欧米に比べて、感染者も重症者もはるかに少ない。なぜ、そのような日本で医療崩壊が起きようとしているのか。
 都内の基幹病院の院長は「コロナの患者は皆さんお元気で、病棟内を歩き回り、アマゾンでオンライン注文をするので、病棟に大量の商品が届いて困りました」と苦笑いをする。コロナ感染者の大半は軽症者だが、症状の軽重を問わず、一定期間の入院・隔離が義務付けられるため、彼らは暇を持て余すことにならざるを得ない。現在、このような軽症者が全国の病院のコロナ病床を埋め尽くしているのだ。重症者がそのしわ寄せを受け、受け入れ先が見つからなくなってきている。

補助金で数だけ増えたコロナ病床

 政府はコロナ感染発覚当初から、感染症法に基づき、感染者を入院させる措置を取ってきた。これを受け、各自治体は、病院以外にホテルなどの宿泊施設を、感染者を受け入れる施設として借り上げ・・・

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