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経済

航空大手社員が地方自治体へ出向 「便数維持」を見返りに受け入れ要請

2021年1月号公開

 航空大手の日本航空(JAL)とANAホールディングスの経営環境が厳しさを増す中で、余剰社員をグループ外へ出向させる動きが広がっているが、複数の自治体が受け入れを表明している。
 ANAからの受け入れを明らかにしているのは鳥取県と佐賀県、石川県。社員を県の職員として受け入れて給料の一部を負担する方針も示している。また、県内企業でのANA社員出向の受け入れを仲介するほか、県内の空港への着陸料値下げを決めるなど、「大歓迎の様相」(経済誌記者)なのだ。また、JALも、鹿児島県などへの出向が検討されている。
 受け入れを表明しているのはいずれも東京や大阪へのアクセスの良くない県。各県の空港から、東京や大阪を繋ぐ便の確保は死活問題だ。「航空会社側が表立って航空便の維持を条件に社員受け入れを迫っているわけではないが、自治体側は見返りを求められているようなもの」(同前)で、出向を受け入れている。
 特にANAは現状、自民党とのパイプが太いため、「地元選出の国会議員との繋がりを利用して事実上、圧力をかけている」(同前)とみられている。


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