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「メルケル後」のドイツは大変革へ

鍵を握るは「緑の党」

2021年2月号

 ドイツのアンゲラ・メルケル首相の後任として、ノルトライン=ヴェストファーレン(NRW)州のアルミン・ラシェット首相が、キリスト教民主同盟(CDU)の党首になった。本来なら次期首相の本命だが、新型コロナウイルス感染拡大のさなかで、不透明要素があまりに多い。
 唯一確実性が高いのは、「同盟90/緑の党」が、九月二十六日の総選挙後に、次期政権入りすることだ。メルケル政権時代に停滞していた、環境政策で一気にネジを巻きそうである。ヨーロッパ政治は変革期に入った。

後継は「新型コロナが決める」

 ドイツ政界の目下の流行語は、「分からない」である。政治家や政治記者に何を聞いても、「分からない」を連発される。各種世論調査で、「分からない」という項目があると、必ず上位にのぼる。
 最たる例が、次期首相をめぐる問題だ。CDUは、メルケル首相への根強い個人的支持に引っ張られ、支持率が高い。総選挙では姉妹政党のキリスト教社会同盟(CSU)との合計で、三五%前後を得票して、第一党を維持する情勢だ。
 と・・・