ジョー・バイデン大統領の下で、米国が「バイデン景気」の到来を迎えている。
　累計で五兆ドル（約五百四十兆円）もの各種支援金が続々と市場に入ってくる上に、新型コロナウイルスのワクチン接種の劇的拡大で、経済再開への自信が急速に強まった。規制と緩和を繰り返す日本や欧州を置き去りにして、世界経済回復の主役になりそうだ。


「腕まくり」が経済の特効薬

　バイデン政権の発足から約三カ月となる四月十八日。米国は重要な節目を迎えた。米国の成人の半分にあたる一億三千万人が、少なくとも一回目のワクチン接種を受けたのである。
　バイデン大統領は、今後はワクチン接種の対象を全成人に拡大すると発表した。その名も「さあ腕をまくろう」というＮＢＣの特別番組に出演し、「これからは、みなさんが接種する番だ。無料だし、便利だし、何よりもみなさんが今できる、一番大事なことなのだ」と米国民に呼びかけた。
　四月中旬のワクチン接種は、一日平均で三百二十万回。バイデン政権が発足した一月二十日時点では、接種総数は・・・