「神奈川三郎」の一角があっけなく消えた。菅義偉首相が股肱の臣と頼んで閣内に抱えた同じ神奈川県選出の河野太郎ワクチン担当相、小泉進次郎環境相、小此木八郎前国家公安委員長のトリオを、永田町の語呂合わせ好きがそう名付けたらしい。が、横浜市長選に惨敗した小此木氏は政界引退を表明。秀逸な命名はほとんど知られることのないまま「太郎次郎」のコンビに変わった。
　小此木氏は投票締め切りと同時に落選が決まるとすぐ菅氏に電話したが、出なかったのでショートメールで「ありがとうございました」と送信。首相から「ご苦労様」と返信があったという。
　小さな挿話が想像をかきたてる。事の重みに比べ、会話の手段も言葉もあっさりしすぎているからだ。いっそ、よそよそしいと言うべきか。ざらついた感じもある。小此木氏は「だいぶ忙しかったので、時間を置いて改めてお話をしようと思っています。誤解されちゃいけませんけど、お互いに忙しい身です」と言いつくろったが、それだけだろうか。
　小此木氏は、菅氏が推進してきたカジノを含む統合型リゾート（ＩＲ）施設誘致に真っ向から反対を掲げて出馬表明し、自民党は推薦も支・・・