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経済

みずほ「外部社長」招聘の現実味

金融庁が描く「厳罰シナリオ」

2021年9月号

 お盆明けの最初の金曜日。しかも五十日ということもあり、八月二十日のみずほ銀行の各店舗では、開店に向けた準備がキビキビと進められていた。そんな中、本店から八時三十分に全店舗へ向けて通達が出された。「システム障害により店頭での取引がまったくできない状態であることを客に周知徹底せよ」という内容だった。このご時世、窓口に来るのはATMやネットバンキングで対応できない顧客ばかり。周知などできるわけもなく、四百六十を超える全国の店頭で行員が客に頭を下げ続けた。
 みずほ銀行のシステム障害はもはや年中行事であり、「またか」という感慨さえない。とはいえ今、みずほフィナンシャルグループ(FG)内では、「最悪のシナリオ」が囁かれ始めている。
「舌の根も乾かないうちに、なんでウチばかり問題が相次ぐのか」
 みずほ銀の中堅行員は嘆いた。週明けの八月二十三日には、今度は全国百三十台のATMが利用できないトラブルが発生した。この日、二十日のシステム障害についての社内説明会が予定されていたが、案の定、延期された。

「システム本体」に疑念・・・