三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

経済

みずほを見限る「第一生命」

資産運用会社での提携が「破局」へ

2021年11月号

 今年二月以降、相次ぐシステム障害の発生と事後対応の稚拙さで信用失墜の危機に瀕しているみずほフィナンシャルグループ(FG)。金融庁も経営責任を問う行政処分を打ち出せぬまま対応に窮し、取引先企業は同グループを見限ろうとしている。「みずほ離れ」は提携関係にも及び、第一生命ホールディングスと共に出資するグループの資産運用子会社、アセットマネジメントOne(以下、アセマネワン)の屋台骨が揺らぎ始めた。
「東洋最大の運用資産を誇る運用会社」を自負する同社。その実態は「図体はでかいがガバナンスは地に堕ち、基幹系システムはガタガタ」というみずほグループの縮小コピーさながらだ。「第一生命は、アセマネワンと縁切りするにちがいない」と破局を予想する声も出ている。
 みずほグループと第一生命の関係は一九九八年に始まっている。そもそも、第一生命は独立系であり、特定の銀行と密接な関係がなかったが、みずほの母体の一角である旧日本興業銀行と「独立系同士」という名目で全面的な提携を結んだ。翌年、両社の資産運用子会社は合併し、興銀第一ライフ・アセットマネジメントが誕生、さらに二〇〇八年、同社はDIA・・・