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連載

広告を裏読みする 第41話

国連も抗議した「性的広告」騒動

2022年5月号

 四月、ある新聞広告をめぐり、ネット上で「炎上騒動」が起きた。講談社の関係者はこう漏らす。
「実質的な謝罪コメントを安易に出してしまった。社内でそれほど議論された形跡もない」
 四月四日、日本経済新聞の朝刊に講談社のマンガ単行本の十五段(全面)広告が掲載された。作品名は『月曜日のたわわ』。学校の制服姿とおぼしき少女が一人、振り向くような構図で描かれている。「今週も、素敵な一週間になりますように。」というキャッチコピーが添えられ、この日に単行本第四巻が発売されることを告知した。
 直後からネット上では、「少女を性的対象にしている」「なぜこんな広告が掲載されるのか」といった批判がわき出た。
 このマンガには胸の大きな少女が複数登場する。それが「たわわ」という題名の由来だ。作中では、少女たちの胸が頻繁にクローズアップされ、男性の体に触れるような描写も多い。きわどい表現が続くため、「男性であっても好みが分かれるマンガ」(前出講談社関係者)だという。
 ただ、今回の広告では少女の胸は腕で隠れて、強調されているとはいえない。過激な性描写と指弾するの・・・