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台湾「二〇二七年危機」の現実味

習近平が「侵攻」を決意する時

2023年1月号

 最近、台湾内外で、中国は十年以内、早ければ二〇二七年までに台湾を侵攻するとの見方が浮上している。二二年十月の中国共産党大会で、習近平氏の側近で固められた新しい共産党執行部が発足した。これを受け、台湾の蔡英文政権は「中国が数年以内に台湾を侵攻する可能性が高まった」とみている。当の中国では「十年以内」を窺わせる論文が同年十二月に発表され、注目を集めた。同じ十二月、米国の中央情報局(CIA)長官も「二七年の開戦」に言及したのだ。
「台湾との統一は中国共産党の悲願。毛沢東以降の歴代指導者は常に武力侵攻のタイミングを窺っていたが、いつまでに統一しなければならないというタイムリミットはなかった」。台湾の与党、民主進歩党のある幹部はこう語る。そのうえで、「独裁者になった習近平氏は、中国統一への野心をむき出しにしている。六十九歳の習氏が元気なうちに台湾問題を解決したいなら、十年以内に武力侵攻に踏み切る可能性が高い」と分析した。
 中国が十年以内に台湾問題を解決したい思惑があることは、中国で台湾問題を担当する幹部による中国共産党機関誌への寄稿でもみてとれる。劉結一・国務院台湾事務弁・・・

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