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政治

公明党「大阪縮小」の屈辱

維新に譲る「小選挙区」はどこか

2023年5月号

「『常勝関西』の伝統だけは残しておきたい。どこか一カ所強くないと、学会全体が弱くなってしまう。関西が日本の牽引力である。これが『常勝』という意味だ」。かつて創価学会の池田大作名誉会長が発した言葉だ。二十八歳の池田が青年部参謀室長として指揮を執った一九五六年の参院選大阪地方選挙区の勝利を起源とするのが「常勝関西」だ。以来、強固なネットワークを築き、学会が支持する公明党は衆院小選挙区の現職九人のうち六人が関西を占める。それが今や、日本維新の会(地域政党・大阪維新の会含む)の前に、北側一雄副代表や佐藤茂樹国対委員長といった党幹部の撤退・引退が現実味を帯びるなど風前の灯だ。
 きっかけは統一地方選前半戦の投開票日四月九日夜の記者会見。維新・馬場伸幸代表が「公明党さんとの関係というのは一度リセットをさせていただく」と表明した。大阪市議選で維新が定数八十一のうち四十六を得て初の単独過半数を獲得した。これまで維新が掲げてきた大阪市を廃止して特別区にする「大阪都構想」の是非を問う住民投票の実施には大阪府・市両議会の議決が前提で、過半数に届いていなかった市議会では公明の協力が必要だった。そのた・・・

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