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政治

《罪深きはこの官僚》屋敷利紀 (金融庁総合政策局審議官)

仕組み債問題で「お手柄」を捏造

2023年5月号

 金融機関が販売する仕組み債の問題で一躍、悪名を轟かせている官僚がいる。金融庁で金融機関へのモニタリング部門を統括する総合政策局審議官の屋敷利紀だ。地域銀行への容赦ない追い詰め方をもって「令和の鬼平」と言う向きさえある。銀行業界からは「恫喝まがいの圧力」という泣きが聞こえてくる。
 仕組み債がハイリスクな金融商品であることは言うまでもない。本誌もこれまでに金融機関による仕組み債販売の問題点を幾度となく取り上げてきた。そして、「顧客本位」というお題目を掲げる金融庁が対策に本腰を入れ始め、いよいよ出番とばかりに屋敷が動いたのは昨年のことだった。しかし、それは時機を逸していた。有り体に言えば、それまでがあまりに怠慢だったのだ。屋敷はその失点を誤魔化すかのように、地域銀行などを吊るし上げて「販売停止の決断」に追い込んでいる。
 金融庁はこの四月に「地域銀行百行におけるリスク性金融商品の販売・管理態勢に関するアンケート調査結果」を発表した。そこでは、モニタリングを通じて、地銀の過半が仕組み債を販売しないという姿勢に変わったことを強調している。
 手柄をアピールしてい・・・

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