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経済

《地方金融の研究》西日本シティ銀行

ふくおかFGと対峙して「健闘中」

2023年6月号

「両雄並び立たず」という。ましてや超低金利の長期化に人口減少や地域経済の地盤沈下など、厳しい経営環境に直面する地銀界にあってはなおさらだ。実際、ここ数年の間に新潟県を地盤とする第四銀行と北越銀行が一体化。青森県地盤の青森銀行とみちのく銀行も経営統合してプロクレアホールディングス(HD)を発足させるなど、独占禁止法特例合併法による後押しもあってか、域内一位、二位を争ってきた地銀同士の再編も珍しくなくなった。
 そんな中、「両雄が並び立つ」異例の構図となっているのが福岡県だ。ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)と、これに対峙する西日本フィナンシャルホールディングス(FH)だ。
 無論、グループ全体の規模ではFFGが西日本FHを圧倒する。FFGが十八銀行(現十八親和銀行、長崎県)や熊本ファミリー銀行(同熊本銀行)など周辺エリアの地銀を相次ぎ傘下に収めてきたためで、二〇二三年三月末時点のFFGの連結総資産は地銀最大級の二十九・九二兆円。対する西日本FHは十二・九八兆円とその半分にも満たない。
 一般事業会社の売上高に相当するとみなされている連結経常収益も二三年・・・

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