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経済

トヨタ「下請け搾取」の新手口

トランプ関税「折半負担」を強要

2025年5月号

「トヨタ自動車がトランプ関税対策のために掟破りの手段を取ろうとしている」
 自動車業界担当記者はこう憤る。
 米国の関税政策と、その朝令暮改ぶりに世界中が右往左往する中、トヨタが下請けに対してまたぞろ無体な要求をしているのだ。トランプ政権が導入を決めた「相互関税」が90日間停止している一方、米国に輸入される自動車への25%の追加関税は4月からスタートした。対象は完成車だけでなく、自動車部品も含まれる。ただし、対象となる部品は、5月上旬までに米商務長官が指定する予定だ。米国の自動車メーカーへの影響も甚大なため、最終的にどこまで対象となるかは予断を許さない。
 そんな中、トヨタは3月以降、部品メーカーにある「要請」を出している。25%の関税について一律に折半、つまり12・5%を部品メーカー側に負担するよう求めている。関税は輸入する側、この場合はトヨタの北米法人が負担するのが原則。それを捻じ曲げようとしているのだ。

第1次トランプ政権の「トラウマ」

 この要請に至るまでのトヨタの準備も・・・

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