石破少数与党政権 「長持ち」の不思議
「国難」のおかげで続く安泰
2025年5月号
まことに妙な話だが、近ごろ石破茂首相に不思議な余裕が漂っているのを、政官界の多くが首をひねりながら認めている。支持率は低位安定し、「何をしたいのか分からない」「期待外れ」と評判は相変わらず芳しくない。そこへ来てトランプ関税ショックに見舞われ、世界の戦争・紛争・緊張は終わりが見えず、政権を取り巻く国際環境はむしろ悪化している。
焦っているかと思いきや、石破氏は会議では出席者の意見にじっくり耳を傾ける。会食では遠慮して辞去する相手に「まあ、もう少しいいじゃないですか」と引き留める。ある自民党幹部は「安倍晋三政権で冷や飯を食っていた頃の方が落ち込んでいた。ずいぶん明るくなった。もう総裁になれないという苦悩から解放されたんだね。首相が板に付いてきたとは思わないけど、妙に晴れ晴れとしているんだよ」と苦笑する。
最大の理由は、多数野党の協力にある。「熟議の国会」の一環で4月から党首討論が毎月開かれることになり、昨年10月以来、石破政権で2度目の討論が4月23日にあった。全体時間45分のうち、30分を占めた立憲民主・野田佳彦代表の発言に、野党の姿勢がよく表れていた。
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焦っているかと思いきや、石破氏は会議では出席者の意見にじっくり耳を傾ける。会食では遠慮して辞去する相手に「まあ、もう少しいいじゃないですか」と引き留める。ある自民党幹部は「安倍晋三政権で冷や飯を食っていた頃の方が落ち込んでいた。ずいぶん明るくなった。もう総裁になれないという苦悩から解放されたんだね。首相が板に付いてきたとは思わないけど、妙に晴れ晴れとしているんだよ」と苦笑する。
最大の理由は、多数野党の協力にある。「熟議の国会」の一環で4月から党首討論が毎月開かれることになり、昨年10月以来、石破政権で2度目の討論が4月23日にあった。全体時間45分のうち、30分を占めた立憲民主・野田佳彦代表の発言に、野党の姿勢がよく表れていた。
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